note (ノート) をホームページ代わりにしてもいいのか [中小企業・フリーランス・クリエイター]

noteを公式サイトがわりにしていいのか

この記事は、中小企業の経営に関わる方、フリーランサー、デザイナーやイラストレーター、ライターなどのクリエイター系職の人に向けたお話です。

気軽に文章を投稿できるサービス、note。無料で使えて、書きやすさも優れています。でも、noteを会社用ウェブサイトやポートフォリオサイトの代わりにはしないでください

ではどうするべきか? 企業やフリーランサーは、自前の、かつ、独自ドメインのついた「公式ウェブサイト」を持ちましょう。

なぜ、noteをホームページ代わりにしたい人が多いのか

noteは気軽に使えるので「もうここでいいじゃん」って人が多いのでしょうね。

noteのメリットを挙げると、こんな感じ。

  • 登録すればすぐに書き出すことができる
  • 文章さえ書けば見栄えする
  • 広告も出ない
  • フォロワーが増えるとモチベーションが上がるし、気楽に書きやすい
  • あと、有料noteもできるから、お金が入ってくる可能性があるのが嬉しい!
    (全然売れてないけど…)

たしかに、気軽に書き始めることができるのは大きなメリットです。

ですが、ウェブの専門家から客観的な意見を申し上げると、noteは仕事の「公式サイト」代わりにするには足りません。WordPressなりWix、ジンドゥーなり使って、自前のウェブサイトを持ってください。

noteをやるな、という意味ではありません。自前のウェブサイトも備えたうえで、noteも活用しよう、という意味です。

「noteはクリエイターのプラットフォーム」のような言葉が一人歩きして「クリエイターはnoteだけやっていればいいんだ」と勘違いしている人も多いみたいです。

noteをホームページ代わりにしてはいけない。その理由

なぜ、noteを「公式サイト」代わりにすべきでないか。理由はざっと挙げるとこんなところ

  1. デザイン、導線管理、SEOなど自分の力でできない
  2. 書けば書くほど、他人の記事が伸びる (noteはあくまでnote社の事業である)
  3. いくらスキとフォロワーを獲得しても仕事は増えない
  4. 独自ドメイン使用可能な法人プランは高額
  5. 広告が入る可能性 (今後)

以下、詳しく説明していきますね。

理由1: デザイン、導線管理、SEOなど自分の力でできない

noteは事業用ウェブサイトを作るのには向きません。なぜなら

  • noteは、ページ全体を自由にデザインすることはできません
  • ページを作ってプロフィールを載せることはできますが、あくまでオマケ的な機能
  • 問い合わせフォームや資料請求などの機能はありません。そこへ誘導させる設計もできません
  • SEO関連のコントロールもできません

そもそも、note公式がこう自己紹介しているように、

noteはクリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。

noteは「発信して楽しむ場」として設計されたものであって、仕事の依頼を受けるための場所ではないのです。

ちなみに、個人クリエイターであっても、仕事を得るために作るのであれば「事業用ウェブサイト」です。

理由2: 書けば書くほど、他人の記事が伸びる

noteで記事を書くと、記事の後ろに他のユーザーの記事への誘導が出てきます。自分の記事へのリンクはあまり目立ちません。なぜ、自分の記事だけを読んでもらえるように作られていないのでしょうか?

それは、noteは全体のPV (ページビュー) を伸ばすという使命があるからです。そうしてネット上の存在感を増すことがnoteの利益を増やすし、株主も喜ぶからです。そのためにはフォロワーの少ないあなたの記事を回遊させるよりも、すでに人気のある記事へ誘導するほうがいいのです。

つまり、書けば書くほど、人気のある他人の記事への流入を強化する作りになっています。

人気のない無料ユーザーは、無料と引き換えに、ある程度犠牲にならざるを得ません。noteに限らず、無料のウェブサービスはなんでもそうですが。

文句があるなら、あなた専用の場所 = 独自ドメイン付きのウェブサイトを作ればいい

理由3: いくらスキとフォロワーを獲得しても仕事は増えない

クリエイターにありがちですが、創作関連の話を投稿していくと、同業者と一般人から共感の「スキ」やコメント、フォロワーが増えます。これは非常に気持ちいいことです。

しかし、「スキ」やコメントが増えたら仕事が伸びるのかというと、そこは全くもって関係ありません。

多くのクリエイター系職業の方は、企業からの仕事依頼を望んでいるはずです。note記事をプロフィールとして使っている人もいますが、企業担当者がnoteで新規の依頼先を探すことはありません。その1ページのプロフィールだけで「信頼に値する」と判断できることはほとんどないからです。最低でも事業についてまとめられたウェブサイトが必要です。

ちなみにnoteの投稿が直接仕事になることはあるにはあります。例えば「4コマ漫画を投稿していてそれが面白いのでそのまま出版された」というケースなどですね。しかし実はこうしたケースはほんの一部でしかなく、それこそがクリエイターの活動の中心だと考えるのは間違っています。

理由4: 独自ドメイン使用可能な法人プランは高額

事業用のウェブサイトには、独自ドメインが必須です (記事)。なので、独自ドメインを付けられない、noteの無料アカウントを事業用ウェブサイトにするのはNGです。

「では、noteに独自ドメインを付けられればいいのでは?」と思うかもしれません。が、noteの法人プラン「note pro」は月額およそ8万円 (2024年時点) と、小規模事業にとってはちょいと高価です。そこそこの規模の企業が自前ウェブメディアとして使うためのサービスのようです。

普通にドメインとレンタルサーバーを契約すれば月々数千円以内でおさまります。

理由5: 広告が入る可能性 (今後)

広告が出ないからnoteを使いたいという人は多いかもしれませんが、今後、広告が表示されるようになる可能性はあります。

もっとも、noteのことですから記事を読むのが苦痛になるほどの広告が差し込まれる (某無料ブログサービスのように) とは考えにくいですが、記事中に関係ない内容の何かが表示されるようになることは十分あり得ます。

無料で「使わせてもらっている」立場では、突然変化があっても拒むことができません。

では、どうすればいいのか => 独自ドメイン付きのウェブサイトを持とう

独自ドメインのついたウェブサイトを持ちましょう。

フリーランスクリエイターが仕事の依頼をウェブ経由で増やしたいなら、自分の経歴やプロフィールを掲載でき、問い合わせフォームを設置できる場所、つまりウェブサイトが必要です。

企業のウェブサイトでも、事例や作例を回遊しながら閲覧できるページの作りとか、PDF資料のダウンロード機構を備えましょう。つまり、ウェブサイトが必要です。

繰り返しになりますが、事業用のウェブサイト (もちろんフリーランサーも) には、独自ドメインをつけましょう。

ウェブサイトをメインに、noteを「発信の場」として使う

ではnoteをどのように活用するのが正解なのか。
自前ウェブサイトは仕事を受け付けるための装置、noteは発信の場として使いましょう。noteを「SNSの一種」という感じで捉えてみてください。

noteの記事から自前のウェブサイトにリンクを入れるのはおすすめです。いろんな話題の最後に「もしご興味があれば、私の実績を見てみてください」など。noteは、検索エンジンの評価が高いので、意外と流入があります。

もしくは、noteは個人としての活動と割り切り、仕事用のウェブサイトからいくつかのnote記事を紹介して「個人ではこんな活動もしています」と紹介して、興味を持ってもらうようにする方法もあります。

「どっちもやる自信がない」ならば、noteよりもウェブサイトを優先してください。

有料noteはどうなのか

有料noteはうまくやればそれなりに売れます。

ただし、有料noteや投げ銭系ばかりに力を入れていると、もともと目指していたはずの「お仕事依頼」は伸びません。なぜなら、両者は違う概念の商売だから。

有料noteや投げ銭系は、一般の人や同業クリエイターに共感させることで買ってもらいます。一方、仕事の依頼や問い合わせを伸ばすには、狙った層の顧客候補に信頼性を伝えることが大事。このように、そもそも違う商売なのです。

だから「有料noteをやってれば収益を得つつそのうち仕事依頼の獲得にもつながるのでは」という考えでは、まずうまくいかないと思います。

有料noteをうまく売りたいなら、仕事依頼や問い合わせ獲得のスキームとは切り離し、「副業」「別事業」として、何かのジャンルに絞ってやることです。

まとめ: noteは書く場所として優れているけれど、公式サイトの代わりにはならない

以上、ウェブの専門家として客観的な意見を述べてきました。私個人は、noteは大好きだし、とてもよく使ってきました。

でも、いくらnoteが書く場所として優れていても、事業用ウェブサイトとしては使えません。だから、企業やフリーランサーは、自前の、かつ、独自ドメインのついた「公式ウェブサイト」を持ちましょう。

「でも、ウェブサイトを作るのなんてお金がない」「技術がない」という方は、ウェブサイト制作ツールで自作するのがいいでしょう。ウェブ制作の専門技術がなくても十分作れますよ。